nawasan's house
Day:2024/3/31
Place:nawasan's house
住居での撮影
壁や家具、家電にかかる陰は
空中建築の存在をより強く見せてくれました
01.住居での撮影
作品の撮影を行うとき、選ぶ場所はどこを選ぶだろう。
作品が引き立つようなスタジオを借りるだろうか。ギャラリーを借りるだろうか。見晴らしの良いロケーション撮影だろうか。
作品にも適材適所が存在し、空中建築は「陰を強く出せる場所」を条件としていたため、このお家を貸していただくことになりました。砂を撒かせてもらったり、好きな場所で吊るさせてもらったり、暗闇にしたり、エジソン電球を貸してもらったりと…制限なく撮影させていただけたおかげで陰を強く出せる写真を撮ることができました。
02.リビングでの撮影
リビングに浮く空中建築。キッチン、冷蔵庫、電子レンジ、ソファなど、生活空間での撮影は、作品自体がそこの同居人かのような雰囲気を醸し出していました。
03.階段での撮影
広い階段。エジソン電球。木の壁。強い陰が出る環境での空中建築はこちらに何か語りかけてくるような、そんな雰囲気がしました。低い声で諭すような言葉をかけてくれるのではないかと期待しながら。
04.陰が主役
空中建築には陰が必要不可欠。陰を出すことで作品を引き立て、重量感を出してくれます。
陰だけでも作品として成立できる様子は、陰が主役となる作品にもなりえます。
陰は口ほどに物語る
陰が怖いと感じるのは何故だろうか。
陰翳が美しいと感じるのは何故だろうか。
薄明かりの中にいると気持ちが安らぐのは何故だろうか。
恐ろしくもなり、安らぎにもなり、時には本体すらも乗っ取ってしまいそうになる脅威のその陰を、私たちの先祖は遥か昔から陰との共存を図っていた。
人が「灯」を手にしたその時から、陰は私たちとの間に「美しさ」を見せ、
「強さ」を見せ、心音が聞こえてくるほどの静けさをもたらした。
私がその陰に近づくと、私が私に近づく感覚になり、ようやく一つになったような安心も覚えた。
恐ることも、安らぐことも、一つになることも、もはや言葉などいらない。
薄暗い中に浮かぶ陰だけで十分であることを、私は知ってしまった。
陰は口ほどに物語る。
05.オフショット
作品と私、砂と木の名刺、模型とはーてビースト、模型とキッチン
生活の中に空中建築が存在する、作品を楽しむ新しい視座